新興市場がアジアREIT市場の新たな成長を牽引
アジアの不動産投資信託(REIT)市場は、2025年から2026年にかけて新たな成長局面に入りました。中国本土とインドにおける急速な市場拡大に加え、日本、シンガポール、香港などの成熟市場でも安定化と回復が進んでいます。最新版の「アジアリートマーケットインサイト」では、規制環境の変化、投資家ニーズの多様化、資本市場の動向が、アジア各国の上場不動産市場にどのような影響を与えているのかを分析しています。
2026年3月31日時点で、アジアのREIT市場には289のREIT商品が上場しており、市場総額は約42兆円(約2,800億米ドル)に達しました。これは2024年末比で18%の増加となります。新規上場の多くは中国本土が牽引し、インドはアジアで最も成長著しいREIT市場の一つとなりました。
本レポートの主なハイライト
中国本土:インフラ中心から事業用不動産へ拡大
中国本土では、事業用不動産REITの試験プログラム開始が市場発展の大きな転換点となりました。これまで対象だったインフラ資産に加え、オフィス、商業施設、ホテル、アウトレット、複合用途施設なども組み入れ対象となり、資産の再活用(キャピタルリサイクル)や不動産価値向上、機関投資家による投資機会の拡大が期待されています。
インド:機関投資市場として本格化
インドのREIT市場規模は2024年末から62%拡大し、初めて香港を上回りました。
これにより、インドは市場規模ベースでアジア第4位のREIT市場となっています。新規上場の増加、堅調なテナント需要、豊富な開発パイプラインを背景に、インドのREIT市場は規模の拡大と投資対象の多様化が進んでいます。
成熟市場も回復基調
日本、シンガポール、香港では、市場環境の改善とともに緩やかな成長が見られました。
- シンガポールでは不動産取得(M&A・投資活動)が再び活発化
- 日本ではオフィス市場の改善とインバウンド需要によるホテル収益の回復が追い風
- 香港では資産価値の回復に加え、流動性向上や投資資金誘致を目的とした政策が進展
ESGの重要性が一段と高まる
アジア全域でESG(環境・社会・ガバナンス)情報開示の標準化が進んでいます。投資家は、
- 気候変動リスク
- 個別資産のパフォーマンス
- 運営効率
- 情報開示の透明性
をこれまで以上に重視しています。サステナビリティへの期待が高まる中、ESGは資本配分、資金調達、資産評価における重要な判断要素となりつつあります。
本レポートでわかること
- アジア各国でREIT市場の成長が加速している地域と、その背景
- 中国本土・インドにおける規制緩和が生み出す新たな投資機会
- 日本、シンガポール、香港の市場環境が投資家や不動産オーナーに示す意味
- 物件取得や資産の質、運営実績がREIT評価額へ与える影響
- ESG情報開示の透明性が、資本配分や投資家の信頼向上において重要性を増している理由
レポートについて
「アジアリートマーケットインサイト 2025-2026」は、投資家、REIT運用会社、デベロッパー、不動産オーナー、金融機関などに向けて、アジアの上場不動産市場を取り巻く最新のトレンド、成長機会、課題を包括的に解説しています。